今話題の『夫のちんぽが入らない』(扶桑社刊)のレビュー

「夫のちんぽが入らない」、このタイトルを最初に見かけたのは大手ネット通販サイトAmazonでした。

暇潰しにAmazonの今週のピックアップ欄か何かを見ていた時だったと思います。そこに「夫のちんぽが入らない」というタイトルの書籍があり「なんだこれは?」と思ったのです。タイトルの衝撃で、文字通り目が点になりました。

その時は「凄いタイトルの本だな」と思っただけで買わなかったのですが、その数日後に書店でもこの本を見かけました。平積みされていてどうやら人気のある本らしい、それなら一度読んでみるかと思い、購入したのです。

実は私はその頃交際2年目になる彼氏がおり、彼からつい先日「そろそろ結婚を考えているんだけど」とプロポーズされた所だったのです。

しかし私と彼は付き合ってから一度も性行した事がありません。それの理由はこの本のタイトルと同じく、「彼氏のちんぽが入らない」からでした。

このちんぽが入らない彼の前に付き合っていた恋人達とは、何も問題なく性行していました。彼が特別大きいとかそういう訳ではないのですが、どうしても「彼だけ入らない」のです。

丁度この頃は「結婚しても、入らないんじゃ子供も作れないかもしれない」と不安で、プロポーズを受け入れるか躊躇っていたのです。2年間全く彼氏のちんぽが入らない私が、「夫のちんぽが入らない」という本に出会ったのは、何かの運命かもしれない、なんて思いました。

さて、読み終えてみて思った事は、「ただただ混沌としている」です。

作者の方の壮絶な人生、「夫のちんぽが入らない」という事実、周りの声、夫の態度、全てが自分の事のように重くのしかかってきます。読み始める前は「気軽なエッセイかな」と思っていたのですが、その大きく予想を裏切られました。

淡々と綴られる文章は読みやすく、表現力がとても豊かです。

しかしその分、作者の方の受けたショック、ダメージがより読者に伝わりやすくなっているのだと思います。

作者の方が「夫とはできないのに知らない男とは性行ができる」という所や、自己肯定感が低い部分が、私自身に重なると感じました。

「病院へ行かずにどうにかしたい」、これも読んでいて「そうそう、そうなんだよね」とついつい頷いてしまいます。

作者の方の性格とか、考え方が、本当に「私の分身」のような気がして、ページを捲る事に胸が痛くなります。

「どこかに救いはないものか」、「夫さんも作者さんも救われないのか」そう願って最後まで読みましたが、残念ながら著書の中で問題は解決しません。

これが現実で、映画のように「突然夫のちんぽが入るようになり夫婦はいつまでも幸せに暮らしました」とは終わらないのです。

人によっては途中で「暗い気分に引きずり込まれそうだ」とか、「2人共煮え切らない態度でモヤモヤする」と、読むのをためらってしまうでしょう。
でも時間がかかってもいいので最後までどうか読み進めてほしいと思います。

私は「結婚を考えている彼氏のちんぽが入らない」事に絶望していました。

年齢的な事も考えると作者の方のように若年閉経もありますし、もしも今彼と別れて新しい彼と付き合うとなった際、また「入らない」かもしれません。

そんな恐怖に押し潰されそうになっていた時に読んだこの本の中で、輝かしい未来や救いは見つかりませんでした。しかし、「作者の達観」こそが唯一の救いなのかなと、少し気分がスッキリしたのです。

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